妊娠初期から出産までの流れやトラブル

双子の妊娠と出産


双子の場合は双胎妊娠、3人以上は多胎妊娠と呼ばれます。自然に双子が生まれる確率は、日本人で1000例に2.5組と言われていますが、最近は排卵誘発剤や体外受精の発達で双胎や多胎妊娠が増えています。

双子の妊娠の妊娠の特徴

双子には一卵性と二卵性がある

双子には受精卵が一つで分裂の過程で二つに分かれる一卵性と、受精卵が最初から二つ作られる二卵性があります。顔や体つきが似て性別も同じ一卵性に比べ、二卵性は顔立ちや性別が違うこともあります。
一卵性の出現率は人種や環境による差がほとんどありませんが、二卵性はママ側の家族や親戚に二卵性の双子がいたり、お産の回数が多いと、出現率が高くなります。

双子妊娠の種類(胎児)図解

「一絨毛膜性双胎」と「二絨毛膜性双胎」

双子妊娠超音波(エコー)双子妊娠超音波(エコー)
双子には、ひとつの胎盤を共有している双子( 一絨毛膜性双胎)と、別々の胎盤を持っている双子( 二絨毛膜性双胎)とがあります。二絨毛膜性双胎の場合、2人はそれぞれの胎盤から栄養や酸素が供給されます。
つまり、お互い別々のお膳を持っているので、自分の取り分は確保されています。ところが、一絨毛膜性双胎の場合は、ひとつのお膳を2人で分け合うことになるので、どちらかが相手の分まで奪い取ってしまうこともあり得ます。このため、一絨毛膜性双胎は、二絨毛膜性双胎よりも注意が必要で、健診の回数も多くなります。

双子の妊娠のリスク

双子の妊娠リスク
では、実際のところ、ふたごの妊娠はそんなにたいへんなのでしょうか? たしかに、本来定員1人の子宮で2人を育てるのですから、お母さんの負担は大きくなります。 妊娠高血圧症候群早産の確率も、1人の場合と比べると必然的に高くなります。
しかし、健診の頻度を多くして、リスクの芽を摘み取りながら、そして、何かあればすぐに対応することによって、その多くは正期産で経腟分娩しています。ですから、双子だったとしても、どこに注意をして何をすればよいかを知っていれば、精神的にも妊娠生活を楽しむことは十分できます。何より、2人の赤ちゃんに出会えたときの喜びはひとしおでしょう。

双子の妊娠の注意点

双子妊娠のママは貧血になりやすいといわれています。これは2人分の血液を赤ちゃんたちに送らなければならないため、血液の原料である鉄分が不足してしまうからです。意識的な鉄分補給が必要となります。また、平均出産週が35週と、早産になるケースが多いため、早産を誘発するようなことは控え、体に負担をかけないようにすることが大切です。

早産


胎児が二人おなかにいるため、子宮がきつくなり、低出生体重児を出産しやすくなります。早産の予防のため、早めに入院することもあります。

妊娠高血圧症候群


二人の赤ちゃんに血液を送るため、単胎妊娠より多くの血液を必要とし、母体に大きな負担がかかりやすくなります。そのため、通常よりも、妊娠高血圧症候群を発症しやすくなります。

双子の出産

切迫早産の兆候があるときは、予定日近くまで赤ちゃんをおなかの中で育てるために、入院して安静にすることもあります。また、経腟分娩が難しい体位になっている場合や母子の安全を確保する場合、双胎妊娠では帝王切開で出産することになります。

双子の分娩の流れ


①陣痛が起こり、子宮口が開いてくると、子宮口に近い第1子の頭が先に出てきます。
②第1子の体が完全に外に出るまで、第2子は子宮の中にとどまっています。
③第1子が誕生し、臍帯を切ったら、第2子出産のための陣痛を待ちます。
④第1子が通って産道が柔らかくなっているので、第2子は第1子より早く生まれます。