妊娠初期から出産までの流れやトラブル

陣痛促進剤


陣痛促進剤は出産が長引き、ママの体力が落ちてきたときなどに使います。陣痛促進剤は十分な管理のもとで慎重に投与される薬です。

陣痛誘発剤の特徴

陣痛誘発剤とは

陣痛誘発剤とは
破水したものの陣痛が始まらない場合、陣痛が弱いままでママの体力の消耗が激しい場合などに、医師の判断で陣痛促進剤を使用する場合があります。
薬は錠剤や点滴で投与されます。錠剤の場合は1日の投与量が決められています。点滴の場合は分娩監視装置で赤ちゃんの心拍をチェックするなど、十分な監視のもとで慎重に行われます。
陣痛促進剤の使用には陣痛を「誘発」する目的と、陣痛を「促進」する目的があります。基本的に経腱分娩が可能なママに使われます。投与は本人の同意を得ることが条件なので、使用しなかった場合にどうなるかなど、不安や心配事については、事前に医師と十分に話し合っておきましょう。

陣痛促進剤の種類

陣痛促進剤として使われている薬は3種類あり、「オキシトシン」が点滴で、「プロスタグランディンE2」は内服薬、「F2α」は点滴で使われます。
オキシトシンは、投与後すぐに規則的な子宮収縮を起こします。プロスタグランディンは、自然に起こる陣痛のように、はじめは不規則に子宮収縮が起こり、徐々に規則的な子宮収縮になっていくものです。陣痛促進剤が必要になった場合は、お産の進行状況やお母さんの体の状態に合わせて、これらの薬を注意深く選んで使用します。

トラブル時に必要な薬

陣痛促進剤は使い方を誤らなければ、トラブルに直面した赤ちゃんとお母さんに必要な薬です。陣痛促進剤のおかげで危険を回避できる赤ちゃん、お母さんはたくさんいます。だからこそ、お産の前から、主治医の説明を受けておき、もしも使用することになった場合も、十分納得した上で対応する心構えを持っておくことが大切です。

薬を投与するタイミングが重要

大切なのは、陣痛促進剤を使ったからといって、陣痛が必ず来るというわけではないということです。陣痛の来る来ないはタイミングで、もちろん来ないこともあります。妊娠40週を過ぎていても、赤ちゃんが出たくなければ、いくら薬を優っても陣痛は起こりません。
なので、陣痛促進剤を投与されたのに陣痛が来なくてもがっかりしないでください。まだ赤ちゃんは出たくないんだと、ゆったり構えていましょう。

陣痛促進剤を使うケース

お産が長引いたとき


陣痛がなかなか始まらずに、お産が長引いて体力が落ち、母子ともに負担がかかると判断された場合。

破水後、陣痛が始まらないとき


破水後24時間が経過しても陣痛が始まらず、赤ちゃんの体力の低下や感染症にかかる可能性がある場合。

予定日を過ぎたとき


予定日よりも2週間以上お産が遅れている過期妊娠の場合。胎盤の機能が落ちて赤ちゃんに負担がかかりそうな場合。

母体に病気があるとき


妊娠高血圧症候群妊娠糖尿病などの合併症があり、出産が長引くと母子ともに危険な状態になると判断された場合。

計画・無痛分娩を希望する場合


お産の進み具合と痛みの場所に合わせた薬を使い、陣痛を緩和する出産方法。妊娠当初から無痛分娩や計画分娩を希望しているときに使用します。

陣痛促進剤を使えないケース

赤ちゃんの頭が大きいとき


児頭骨盤不均衡で、ママの骨盤よりも赤ちゃんの頭が大きい場合。

赤ちゃんの体の位置が悪いとき


子宮の中で赤ちゃんの体が横向きになっている場合。

胎盤が子宮口をふさいでいるとき


胎盤が下にできて、子宮口をふさいでいる前置胎盤の場合。

開腹手術をした経験があるとき


ママが子宮筋腫や帝王切開などで開腹手術をしたことがある場合。

赤ちゃんに感染の危険があるとき


経腟分娩をすると、赤ちゃんが母子感染するおそれがある場合。

ぜんそくの持病があるとき

陣痛促進剤は種類によっては気管支を収縮させる作用もあるので、ぜんそくの持病があるママには使えません。