妊娠初期から出産までの流れやトラブル

妊娠中の食事


食品を主な栄養成分で分類すると4つのグループになります。普段の食事と比べて妊娠中の食事で注意することとはどんな事なのでしょう?

妊娠中の食事について

栄養のバランスのとれた食事を

栄養のバランスのとれた食事を
妊娠中は、エネルギーのとり過ぎに注意しなければなりません。しかし、食べる量を極端に減らすなどの無理な食事管理は間違いです。それでは、赤ちゃんに必要な栄養素まで不足してしまいます。基本は、1日3食、規則正しく食べることです。間食はできるだけ控えたほうがいいでしょう。食材の選び方や調理法を工夫すれば思ったよりも簡単にエネルギーをカットできます。肉は赤身の部分を選ぶ、鶏肉だったら脂肪分の少ないささ身を選ぶ、調理法も、油で妙めるよりも、蒸したりゆでたりするとエネルギーが大幅にダウンします。糖分や脂肪分を減らしたメニューをいろいろ考えてみましょう。
栄養成分 食品例 働き 効果的な食べ方
タンパク質 肉、魚、大豆製品、卵、チーズ、牛乳、ヨーグルト、エビ、カニ類など タンパク質は赤ちゃんの筋肉や血液を作ります。体作りの基礎となる、必要不可欠な栄養素です。 肉は部位にカロリーに差があります。脂肪分の少ない赤みや鶏のささ身などをを選びましょう。
ビタミンC ピーマン、トマト、ホウレンソウ、キャベツ、ブロッコリー、イチゴ、レモンなど ママの免疫力を高め、風邪などの感染症の予防になります。また、鉄の吸収率を高める効果もあります。 生のままではたくさん食べられないので、加熱してかさを減らして食べるのがおすすめです。
ビタミンB群 (B1)豚肉、玄米、ウナギなど(B2)納豆、レバー、牛乳、卵(B6)マグロ赤身、マッシュルームなど B1は糖質のエネルギー化を助け、B2は細胞の再生や成長を促します。B6はつわりによる吐き気を和らげる効果があります。 水に溶けやすく調理法によって失われやすいので、牛乳や納豆などそのまま食べられるものを中心に毎日とりましょう。
葉酸 ホウレンソウ、ブロッコリー、ニラ、モロヘイヤ、レバー、ワカメ、イチゴなど ビタミンB群の1つ。赤ちゃんの脳や脊髄の発育に必要な栄養素です。不足すると、神経系の異常発生のリスクが高まるといわれます。 葉酸は水に溶け出しやすく、熱に弱い性質があります。食材からとり入れつつ、医師と相談のうえ、サプリメントで補ってもいいでしょう。
魚介類、海藻類、レバー、大豆製品、青菜など 妊娠中は赤ちゃんに栄養を送るために大量の血液が必要です。造血作用のある鉄分はママの貧血を防ぐためにも大切になります。 ビタミンCを一緒にとると、鉄分の吸収を助けてくれます。鉄分を含む食材にレモン汁をかける、食後に果物を食べるなどの工夫を。
カルシウム チーズ、ヨーグルト、牛乳、小魚、アーモンド、青菜など 赤ちゃんの骨や歯を作る大切な成分。妊娠中はママに回る分のカルシウムが不足しがちなので、意識してとりましょう。 タンパク質や、カツオ、ブリ、サンマ、サバなどのビタミンDを含む食材を一緒にとると、カルシウムの吸収率が高まります。
食物繊維 緑黄色野菜、根菜類、イモ類、豆類、海藻類、キノコ類、玄米など 妊娠中は便秘になりがちです。食物繊維は便秘解消に効果的な栄養素なので、積極的にとるようにしましょう。水溶性と非水溶性の2種類あります。 余分な脂肪分を包んで排出する水溶性(海藻類、イモ類など)と腸内の汚れを押し出す非水溶性(根菜、キノコなどの両方の食物繊維をとりましょう。

栄養バランスのよい献立を作るためのポイント

食品を主な栄養成分で分類すると4つのグループになります。各グループから食品を選んで組み合わせれば栄養バランスのよい献立づくりができます。1日3回の食事ですべてのグループから食品を選ぶようにしましょう。

多種類の食品を選ぶ

下の4つのグループから、なるべく多くの食品を組み合わせることが、バランスのとれた献立をつくるコツです。赤、葺、緑など食品の彩りを考えることもまんべんなく栄養をとるうえで大切です。

主食・主菜・副菜の組み合わせ


主食に炭水化物のご飯、主菜にたんばく質の肉や魚、副菜にビタミン・ミネラルの緑黄色野菜や海草類、というように組み合わせます。それぞれのグループからまんべんなく食品を選ぶときに、わかりやすい方法です。しかし3食すべて完壁に栄養をとるのは大変です。1日単位でバランスを調節するようにしましょう。

カロリーの増減を炭水化物と油脂で調整


妊娠中は体重管理に十分注意しなければなりません。体重が増えすぎてしまった場合には、炭水化物と油脂のグループから少し減らしてみましょう。他のグループの食品は、からだを維持し、調子を整えるためには欠かせない栄養を多く含みます。むやみに減らしたりせず、必要な量はきちんととるようにしましょう。

4つの食品グループ

塩分のとり過ぎには要注意!

塩分のとり過ぎは妊娠高血圧症候群を招くこともあります。インスタント・レトルト食品は塩分が多めなので控えたいものです。調理するときはしょうゆやドレッシングの代わりにレモンや酢で味付けしたり、薬味や香辛料を使えば減塩でもおいしく食べられます。

食べ過ぎに注意が必要な魚

キダイ、マカジキ、キンメダィ、マグロ、メカジキ、エッチュウバイガイ


上記の魚は、おなかの中の赤ちゃんに影響を及ぼすメチル水銀を蓄積しているおそれがあると、厚生労働省は注意を呼びかけています。これらの魚は摂取量を控えめにし、心配のないサケ、アジ、サバ、イワシ、サンマ、タイ(キダイ以外)、ブリ、カツオを中心に食べると安心です。また、ツナ缶も通常の量であれば特に問題ありません。